【スタートアップ向け】社長1人法務期を乗り切る10の手引き その2:株式会社の機関設計

更新日:8月26日




目次

 0. はじめに
 1. 株式会社の最低限の構成要素
  (1) 株主・株主総会
  (2) 取締役
  2. 取締役会
  3. 監査役
  4. その他の機関
  コラム ~株主が自分一人の株式会社だから総会の開催や議事録の作成は不要?


0.はじめに



1.株式会社の最低限の構成要素


(1)株主・株主総会


まず、「株式」会社ですから、出資者であり、会社の実質的所有者である株主がいなければ始まりません。株主は一人ではいけないということはありませんが、本来的には複数人であることが想定されており、株主総会という会議による話し合いや多数決を通じて、会社運営に関する意思決定をします。



(2)取締役


ただ、上場企業を見れば明らかなように、株主が経営に関する知識や経験を有するとは限りません。そこで、株主は、株主総会により、経営のプロである(ことが期待されている)取締役に、会社の経営を委任します。

以上、会社の実質的所有者である株主(総会)と、株主(総会)から経営の委任を受けた取締役が、株式会社の最低限の構成要素です。スタートアップから間がない株式会社の多くは、この形態でしょう。

2.取締役会


取締役が3人以上いる場合、取締役会という機関を設置することが可能となります。取締役が3人以上いるからといって取締役会を置かなければならないわけではありませんが、日常業務はリーダーたる代表取締役に一任し、重要な意思決定は取締役会を開催して慎重に行うというスタイルを採用したいのであれば、取締役会を置くのが素直でしょう。また、上場する場合など、取締役会を置かなければならない場面もあります。


なお、会社法上、正式に取締役会を置くためには、その旨の定款の定めが必要となります(また、置いたのであれば、その旨の登記も必要です。)。定款の定めを設けずに「取締役会」という名前の会議体を置くことが許されない訳ではありませんが、その会議体は、法的には取締役会ではありません。



3.監査役


取締役会を置いた場合、取締役会(のメンバーである各取締役)が代表取締役の職務執行に問題がないかをチェックすることになりますが、これだけではチェックが不足することが考えられます。そこで、原則として、取締役の職務執行のチェックを行う役員である監査役を置かなければならなくなります


このようにして、会社の実質的所有者である株主(総会)、会社経営のプロ集団である取締役会&代表取締役、代表取締役等の職務執行のチェックをする監査役の3サイドが揃うと、いよいよ株式会社らしくなってきた感じがします。



4.その他の機関


株式会社の組織構造は、さらに、監査役会又は監査等委員会という組織を置いたり、あるいは指名委員会等設置会社にしたり、会計参与や会計監査人を置いたり……といった形で発展していくことがあります。

ただ、今日のところは、株主(総会)、取締役会&代表取締役、監査役を置くというのが基礎的、古典的な株式会社のつくりであることだけ、覚えておいてください。




▼コラム ~株主が自分一人の株式会社だから総会の開催や議事録の作成は不要?~



■ コラム執筆者


弁護士 小堀 信賢
予備試験ルートで司法試験合格後、都内法律事務所で多様な事件処理に当たる。その後、都内で法律事務所を開設して経営者として法律事務所を運営しつつ、予備試験合格経験を活かし、大手資格予備校にて、予備試験対策の指導に携わる。
しばらくして、以前から強い興味を抱いていた企業法務をメインで取り扱うべく、ユニヴィス法律事務所に参画。現在では、契約書レビューや上場企業の株主総会対策、デュー・ディリジェンスや法人登記など、様々な企業法務に関与している。


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